ファイルの情報をもとにしてスクリプトを呼び出したい
キーワード:スクリプト呼び出し,動的
概要
呼び出すスクリプトを動的に変更したい場合、スクリプト変数を使用してスクリプト呼び出し処理を行います。サンプルプロジェクトの説明
入力ファイルに記載された「税率」にしたがって税額を計算し、ファイルに出力します。「税率」が「5」の場合には税率5%で計算するスクリプトを、「8」の場合には税率8%で計算するスクリプトをそれぞれ呼び出します。
呼び出し元スクリプト

呼び出し先スクリプト

処理の流れ
サンプルプロジェクトの処理の流れは以下の通りです。呼び出し元スクリプトの処理の流れ
- 「CSVファイル読み取り処理」で入力ファイルを読み取ります。
- 「繰り返し(データ件数)処理」で入力データの件数分、以下の処理を繰り返します。
- 「マッピング処理」で入力データの「商品名」・「税率」・「本体価格」をスクリプト変数に格納します。
- 「スクリプト呼び出し処理」でスクリプト変数にしたがって対応するスクリプトを呼び出します。
呼び出し先スクリプト(消費税区分5)の処理の流れ
- 「マッピング処理」で税率5%で税額の計算を行います。
- 「CSVファイル書き込み処理」で計算結果をファイルに書き込みます。
呼び出し先スクリプト(消費税区分8)の処理の流れ
- 「マッピング処理」で税率8%で税額の計算を行います。
- 「CSVファイル書き込み処理」で計算結果をファイルに書き込みます。

ポイントとなる機能
名前 | 説明 | ツールパレット上の場所 |
---|---|---|
スクリプト呼び出し処理 | プロジェクト内のほかのスクリプトやサーバに登録されたスクリプトを呼び出します。 | 「基本」-「処理」-「スクリプト呼び出し」 |
処理のポイント
呼び出すスクリプトを動的に切り替えるため、スクリプト呼び出し処理の [スクリプト]にはスクリプト変数を指定します。サンプルプロジェクトの使用方法
上記処理を実装したサンプルプロジェクトを用意しています。サンプルプロジェクトを使用する場合の手順は、以下の通りです。サンプルプロジェクトのダウンロード | 逆引きリファレンス シナリオ102のサンプルプロジェクト |
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- サンプルプロジェクトの展開
サンプルプロジェクトファイル「rl_reference_102.zip」を展開します。 - プロジェクトのアップロード
「rl_reference_102.zip」を展開後に作成される「rl_reference_102プロジェクト」ディレクトリがプロジェクトファイルとなります。
DataSpider Studioを起動し、マイプロジェクトの画面から[ファイル]-[ローカルからアップロード]で展開したディレクトリ「rl_reference_102プロジェクト」をアップロードしてください。 - サンプルデータの準備
「rl_reference_102.zip」を展開後に作成される「samples」ディレクトリがサンプルデータとなります。
$DATASPIDER_HOME/server/samplesディレクトリに上書きしてください。
スクリプトの作成手順

呼び出し先スクリプト「消費税区分5」
呼び出し元スクリプトから「商品名」と「本体価格」を受け取り、「本体価格」に5%を掛けて「output5.csv」に書き込みます。スクリプト名は「消費税区分5」とします。
- 呼び出し元スクリプトから「商品名」と「本体価格」を受け取るためのスクリプト変数を作成します。
- スクリプト変数のプロパティは、以下のように設定します。
スクリプト変数のプロパティ
変数名 変数型 初期値 スクリプト入力変数として使用する スクリプト出力変数として使用する 商品名 文字列型 チェックを入れる チェックを外す 本体価格 整数型 チェックを入れる チェックを外す
- スクリプト変数のプロパティは、以下のように設定します。
- デザイナのツールパレット「変換」-「基本」-「マッピング」から、マッピング処理(「mapping」)をスクリプトキャンバスに配置します。
- デザイナのツールパレット「ファイル」-「CSV」-「CSVファイル書き込み」から、CSVファイル書き込み処理をスクリプトキャンバスに配置します。
- CSVファイル書き込み処理の設定は、以下のように行います。
[必須設定]タブ
[書き込み設定]タブ
- CSVファイル書き込み処理の設定は、以下のように行います。
- マッピング処理(「mapping」)のMapperエディタを開き、税額を計算し、CSVファイル書き込み処理の入力スキーマにマッピングする処理を作成します。
- マッピングキャンバスは、以下のように設定します。
マッピングキャンバス
番号 ロジック名 説明 ツールパレット上の場所 (1) 掛け算 二つの入力数値を掛けて返します。 「数値」-「演算」-「掛け算」 (2) 数値定数 数値定数を出力します。
[必須設定]タブの[数値]には「0.05」と入力します。「数値」-「基本」-「数値定数」 (3) 足し算 二つの入力数値を足して返します。 「数値」-「演算」-「足し算」
- マッピングキャンバスは、以下のように設定します。
呼び出し先スクリプト「消費税区分8」
呼び出し先スクリプト「消費税区分5」と同様の手順でスクリプトを作成し、以下の箇所を変更してください。- スクリプト名は「消費税区分8」とします。
- マッピング処理の数値定数ロジックで[必須設定]タブの[数値]には「0.08」と入力します。
- CSVファイル書き込み処理の設定は、以下のように行います。
[必須設定]タブ
[書き込み設定]タブ
呼び出し元スクリプト
- 呼び出し先スクリプトを選定し、データを受け渡すためのスクリプト変数を作成します。
- スクリプト変数のプロパティは、以下のように設定します。
スクリプト変数のプロパティ
変数名 変数型 初期値 商品名 文字列型 本体価格 整数型 税率 文字列型
- スクリプト変数のプロパティは、以下のように設定します。
- デザイナのツールパレット「ファイル」-「CSV」-「CSVファイル読み取り」から、CSVファイル読み取り処理をスクリプトキャンバスに配置します。
- CSVファイル読み取り処理の設定は、以下のように行います。
[必須設定]タブ
[読み取り設定]タブ
- CSVファイル読み取り処理の設定は、以下のように行います。
- デザイナのツールパレット「基本」-「フロー」-「繰り返し(データ件数)」から、繰り返し(データ件数)処理をスクリプトキャンバスに配置します。
- 繰り返し(データ件数)処理の設定は、以下のように行います。
[必須設定]タブ
- 繰り返し(データ件数)処理の設定は、以下のように行います。
- デザイナのツールパレット「変換」-「基本」-「マッピング」から、マッピング処理(「mapping(1)」)をスクリプトキャンバスに配置します。
- マッピング処理(「mapping(1)」)のMapperエディタを開き、「本体価格」を数値型に変換し、スクリプト変数に代入する処理を作成します。
- マッピングキャンバスは、以下のように設定します。
マッピングキャンバス
番号 ロジック名 説明 ツールパレット上の場所 (1) 数値に変換 入力を数値型へ変換します。 「数値」-「基本」-「数値に変換」
- マッピングキャンバスは、以下のように設定します。
- デザイナのツールパレット「基本」-「処理」-「スクリプト呼び出し」から、スクリプト呼び出し処理をスクリプトキャンバスに配置します。
- スクリプト呼び出し処理の設定は、以下のように行います。
[必須設定]タブ
[入出力]タブ
処理のポイント
- 呼び出すスクリプトを動的に切り替えるため、[必須設定]タブの[スクリプト]および[入出力]タブの[値]にスクリプト変数を指定します。
スクリプト変数は、以下の方法で素早く入力できます。- 入力フィールドにフォーカスをあてて表示させる変数入力アシスタント機能から選択します。
- 入力フィールドの右クリックメニューで[スクリプト変数]を選択します。
- 呼び出し先スクリプト「消費税区分5」・「消費税区分8」のスクリプト変数は同名で設定しているため、スクリプトが異なっても入力変数として値を受け渡すことができます。
- [必須設定]タブの[スクリプト]にスクリプト変数を指定した場合、[入出力]タブの[一覧を手動で設定]にチェックを入れ、[入力変数]・[出力変数]を手動で設定します。
- 呼び出すスクリプトを動的に切り替えるため、[必須設定]タブの[スクリプト]および[入出力]タブの[値]にスクリプト変数を指定します。
- スクリプト呼び出し処理の設定は、以下のように行います。
- スクリプトを実行し、正常終了すれば成功です。